「つながれ、広がれ
ひとりひとりの応援団」
私は、2000年からソーシャルワーカーと名乗り活動を始めました。活動の中で出会った子どもたちや取り巻く大人たちによってソーシャルワーカーに育てていただいたと思っています。
2007年、私はスクールソーシャルワーカー(以下、SSWと記す)の仕事に就きました。翌2008年には文部科学省のSSW活用事業が始まりました。それまで子どもや福祉とは縁のない方々も、各自治体の教育現場に福祉の専門職として採用され、さまざまなSSW事業が展開されています。しかし、日々生活のしづらさを感じている多くの子ども・若者たちに必要なのは、福祉的視点からのアウトリーチの支援などによって解決に導くSSWの専門性です。いじめ、不登校、貧困、ひきこもり等の困難な状況には、ありのままを受け入れ、寄り添い、一緒に考えてくれる存在が必要なのです。
また、東京都教育委員会によれば、不登校の出現率は増加しているとのことです。私は、登校している子どもたちをパック旅行、家庭で過ごす子どもたちをフリープランと表現し、フリープランの子どもたちには豊かな時間を過ごすための特別なプランが必要であり、第三者の関わりが不可欠と考えています。プランは様々な要素を組み合わせる必要がありますが、確かな学力をつけることは重要です。在籍校と連携しながら子どもを支援する福祉的視点と確かな学力を身につける教育の視点、両輪の支援が必要になります。
私たち大人には、彼らの最善の利益を守り、豊かな自分らしい時間を保障する責任があります。今こそ、子ども・若者の支援の質が問われています。質の高い支援は、子ども・若者ひとりひとりの今を支え、やすらぎ、勇気、やる気、そして、自ら自分らしく歩き始める力を与えます。
一人でも多くの大人たちがこのことに気づき、学び、自らを向上させ、それぞれのおかれた場所で、まちで暮らす子どもたちの応援団としてその力を発揮していただけることを願っています。
代表理事 竹村睦子